2011年11月02日

2011年題詠百首

001:初

初めては微かなひかり初めては恋のときめき鳥のさえずり

002:幸

晩秋のベンチにひとりヒタヒタと押し寄せてくる生きる幸い

003:細

蝋梅の香る小路に細い月「ご苦労さん」と白く微笑む

004:まさか

平凡は主からの恵み巷にはまさかまさかのニュースあふれる

005:姿

ここにないほんとの姿ありそうで水面覗けば色があふれる

006:困

困ってる君の姿が愛しくて即座に決めた手と手つないで

007:耕

平坦な日々を重ねて暮れてゆくわたしの畑 耕されつつ

008:下手

下手だって続けていればそのうちに見えてくるだろ夢の所在が

009:寒

一年が暑い寒いで消費され生きた証は君といた日々

010:駆

駆け出したこころ言葉で追いかける霧に煙ったジグザグの道

011:ゲーム

勝ち組になりたいなんて本気なの生をゲームになぞらえる君

012:堅

意味もなく堅い絆を信じてた愚かな自分ちょっぴり好きだ

013:故

半年の間に父母を失った君の故郷になれるものなら

014:残

歳月を経ても漂う残り香よ母の形見は我が内にある

015:とりあえず

ひと筋のひかり明日に見えずともとりあえず今いまを生きよう

016:絹

運命を知らず無心にさわさわと桑の葉食す絹の幼虫

017:失

失ったピース見つける術はなく空洞を風ふき抜けてゆく

018:準備

桜舞う季節に向けて準備中 我がうちにある種子を育てる

019:層

マンネリの今日に三層の水色 天上の海ゆるり侵入

020:幻

初恋のようにときめく日々でした儚く消えた君は幻

021:洗

洗礼を受けて低きに下られた主イエスのうちに生きる道あり

022:でたらめ

でたらめな世の中だから真実を求める甲斐もあるというもの

023:蜂

蜜蜂のようなあなたの人生のシロツメクサになれるものなら

024:謝

失った人は決して戻らない謝罪と感謝 誰か届けて

025:ミステリー

こんなにも違うふたりが巡り合い惹かれあうとは ああミステリー

026:震

震災の前と後とで激烈に変わったものと変わらぬものと

027:水

想像も及ばぬ水の氾濫に家も車も家族も夢も

028:説

無意識に説得されて刷り込まれ「百ミリまでは安全ですよ」 

029:公式

公式のデータは裏で操作されチェルノブイリの悲劇は続く

030:遅

気づくのが遅かったでは済まされぬ子らの被曝は日々加算され

031:電

電気などなくても家族 寄り添って今日と変わらぬ明日があるなら

032:町

あの町で明日も今日と同じだと信じ眠った日々はいずこに

033:奇跡

生かされた奇跡に頭(こうべ)垂れるのみ瞬時に消えたいのち想えば

034:掃

高慢に傾くこころ掃き清め父の御業に与る者に

035:罪

我が罪のために十字架背負われてゴルゴダの道 歩まれた御子

036:暑

夢でしか会うことのない幻の君に暑中見舞い届けます

037:ポーズ

誰よりも 気になるくせに そんなこと へっちゃらだよと クールなポーズ

038:抱

子のために涙している母たちも抱かれている愛の御腕に

039:庭

赤芙蓉 祖父の愛した庭に咲く 倹しく生きた生の形見に

040:伝

痛ましく悲惨なニュースかけ巡る今だからこそ愛を伝える

041:さっぱり

すっと霧 晴れたのだろう さっぱりと会えるきっと 友だちになろう

042:至

影の国 離れてやがて至るとの主の約束を頼みに生きる

043:寿

寿の文字すら忘れひたすらに原発事故の収束祈る

044:護

大切な唯一無二の子のいのち如何に護れるこの汚染地で

045:幼稚

屋根裏にねずみばあさん住んでいて便りも届く幼稚園です

046:奏

君のうた細く確かに奏でられ耳を澄ませばそこが故郷

047:態

きっと君わかっているね社会では通用しない その態度では

048:束

約束は苦手だけれど できるだけ あなたの願い大切にする

049:方法

マニュアルも方法もない目の前のひと日を生きよ心をこめて

050:酒

酒飲んで憂さ晴らしでもできるなら少しは夜も明るかろうに

051:漕

進みゆく彼方は霧に阻まれて見渡せずとも まず漕ぎいだせ

052:芯

芯に在るほのかなあかり幼き日 母の灯した愛という名の

053:なう

流れゆくタイムラインに埋もれる あなたの「なう」が悲痛に叫ぶ

054:丼

昼ごはん黄金色の丼に三つ葉を添えて春の先取り

055:虚

虚無という文字押し寄せる繰り返し画面に映る街の残骸

056:摘

一瞬に平和な暮らし摘み取られ仮設の君は何を見つめる

057:ライバル

ライバルは昨日のわたし雑念と雑事に追われ今日も惨敗

058:帆

ひたひたと地球の破局忍び寄る されど帆を上げ今日を歩まん

059:騒

荒海に浮かぶ心の騒がしさ我の小舟にイエスいまさば

060:直

直ちゃんがひょっこり顔を出しそうで笑いかけてもポーカーフェイス

061:有無

容赦なく有無を言わせずさらさらと過ぎゆく時の片隅に居る

062:墓

古里の田畑の真中山々に囲まれて在る義父眠る墓

063:丈

定型で思いの丈を詩にして意味を持たせる今日のひと日に

064:おやつ

おやつにも三度三度の食事にも被ばくの危険そんな時代に

065:羽

水鳥の羽に包まれ夢心地今宵は何処を彷徨い歩く

066:豚

諺で揶揄されつづけ食糧に供されつづけ文句のひとつ言いたげな豚

067:励

YouTubeからランダムに流れ来る君の歌声 天の励まし




* 52首目からは2012年に作成したものです。

posted by akari at 09:50| 2011年 | 更新情報をチェックする