2009年03月22日

2009年題詠百首

001:笑

北風に春の香りがするように涙にもふと笑顔の気配

002:一日

何事もない一日であるように願うそばから襲う虚脱

003:助

傍らに動じずにいるそれだけで君は立派に僕の助け手

004:ひだまり

ひだまりは在るだけでいい加速する日々にぬくもり在るだけでいい

005:調

流れくる調べに合わせ歌いおり彼方の国を想い描きつ

006:水玉

いつまでも水玉の夢見ていたい叶わぬことと知ってはいても

007:ランチ

久々のランチだから語り合おうじゃないかなんてそんな雰囲気

008:飾

ただ清楚な佇まいに飾られて微笑んでいる君の面影

009:ふわふわ

訳もなくふわふわしてたねあの頃は無防備で無知で勇敢で

010:街

人混みに突き放されて避難する街の古い茶店の片隅

011:嫉妬

親友と思いし友の言の葉に揺れていたのは微かな嫉妬

012:達

この胸に脈打つものが呼びかける達成の道祈り求めよ

013:カタカナ

カタカナで聞こえてきたよ君の声こんなに近くにいるのに何故

014:煮

話し終え靄がかかった夕暮れをやり過ごすためシチュー煮てみる

015:型

始まった途端に終わり見えるよな型にはまった日を生きる意味

016:Uターン

出かけたと思ったらすぐにUターン忘れっぽいの母似だごめん

017:解

それぞれがやりたいようにやればいい愛さえあればどれも正解

018:格差

価値観を転換せねばなくならぬ格差社会は我がうちにあり

019:ノート

ノートには正直だったはにかみ屋成人しても基本変わらず

020:貧

貧農に育ちし我は幼き日父母に守られ貧しさ知らず

021:くちばし

くちばしで赤子の頭つつこうとカラス真っ直ぐ低空飛行

022:職

天職は見つからないが良いものだ探し続ける人生もまた

023:シャツ

ワイシャツに顔をうずめて目瞑れば君の鼓動が生きよと告げる

024:天ぷら

息子たち結婚したら知るだろう野菜ばかりが天ぷらじゃない

025:氷

薄氷を踏む人生に耐え切れず飛び立った君長月だった

026:コンビニ

日本中どこでも同じコンビニは安心だけど何かオカシイ

027:既

始まりは既視感(デジャヴ)だったね懐かしい匂いする君ぼくの恋人

028:透明

透明な水鏡飽きず眺める異次元の宙(そら)映る気がして

029:くしゃくしゃ

くしゃくしゃに丸められないメールでは削除をしても気持ちは晴れず

030:牛

牛が草食むごとく常にみことば反芻せよと師に教えられ

031:てっぺん

思い出すジャングルジムのてっぺんに陣取った君それがスタンス

032:世界

住む世界違うんだわと割り切って自分を守るコツを学んだ

033:冠

野の花の冠似合う女の子どこに行ったら会えるだろうか

034:序

終章の鍵は序章にあるらしい人生という読み物もまた

035:ロンドン

憧れは憧れのまま霧深きロンドン君の住んでいた街

036:意図

主の光の中に我の意図置かばその暗闇に恥じ入るばかり

037:藤

藤の枝寒々とした空の下(もと)紫薫る春準備中

038:→

人生の要所要所で→(やじるし)がこれに歩めと我を導く

039:広

訪ね来た立待岬空と海広角に開けて押し寄せる

040:すみれ

草むらにすみれひっそり咲く自己を主張せずただあるがまま咲く

041:越

はるばると幾山越えて見回さば古色蒼然馴染みの景色

042:クリック

クリックで君の心を覗いてもコメントなしじゃ読書と同じ

043:係

現代に欠けているのは関係を紡ぐことです繋ぐことです

044:わさび

安曇野のわさび田辺り子どもらと過ごしたひと日記憶している

045:幕

生まれると同時に幕は下りたんだもう戻れない旅を続ける

046:常識

曖昧のままがいいよね常識と自由の境フレキシブルで

047:警

警報は聞かないふりで落ちてゆくただ一瞬の快楽あれば

048:逢

ホームレスのホームになる逢うことで人は変わるとその牧師(ひと)は言う

049:ソムリエ

ソムリエはわたしの辞書にない単語下戸には下戸の配役がいる

050:災

災いは人生の帯なによりも強い絆を育むための

051:言い訳

背を向けた心丸ごと言い訳は通用しないただ祈ってる

052:縄

タイミング合わせられずに俯いて回り続ける縄を睨んだ

053:妊娠

ふわーっと雲と浮かんで夢見てる妊娠するってそんな感じ

054:首

まあだかな首を揃えて待つ子らにおやつ並べる至福の時間

055:式

君が代で始まる式のぎこちなさ送辞答辞でやっと救われ

056:アドレス

楽しげにアドレス交わす友人をひとり見ている携帯持たず

057:縁

お茶だよと呼びかけて母縁側で畑(はた)から帰る父を迎える

058:魔法

雨あがり天上に窓次々に開いて白雲魔法にかかる

059:済

すみません謝られても済みません済まないことは忘れてはだめ

060:引退

引退はまだできないと言う父の趣味は農業傘寿迎える

061:ピンク

卒寿過ぎひとりで暮らす老人の庭を彩る梅ピンク色

062:坂

ないことは形にならず来し方を顧みている坂の途中で

063:ゆらり

口元にゆらり漂うやるせなさ子どもの頃の君の面影

064:宮

宮に行く習慣のないキリスト者頼りにするは主の愛の御手

065:選挙

政治家は似たり寄ったりだけど誰がその政治家選挙で入れた

066:角

角が取れた丸くなったと言うけれど君の芯には激しい炎

067:フルート

フルートをいつかの春に奏でよう鳥うたい驚くだろう君

068:秋刀魚

魚売り自転車こいでやってきて今日のおかずは秋刀魚に決まり

069:隅

片隅にひっそりといる壁の花にもそれなりの意地とプライド

070:CD

懐メロのCDばかり聴きたくてポール・サイモン今日は選択

071:痩

美味しくて痩せられないの困っちゃう娘がいたらグチャグチャしゃべる

072:瀬戸

梅祭りに便乗して賑やかに瀬戸物の店春めいてきた

073:マスク

花粉症たぶん確実でもマスクしたくないから風邪のつもりで

074:肩

ネットではすれ違う肩見えなくて衝突したり寂しがったり

075:おまけ

原爆で一度死んだと彼は言うおまけのいのち平和に捧ぐ

076:住

パパ逝って住まいを変えた悲しみは消えないけれど2年が経った

077:屑

逆上し「人間の屑!」吐き捨てて我がうちにある屑知らされる

078:アンコール

アンコールも拍手もない人生にこそ注がれる主の慈しみ

079:恥

羞恥心つつましさなど失われ大和撫子死語になりつつ

080:午後

公園に午後一番の光満ちコブシ咲きかけ飛翔の準備

081:早

早足で題詠ブログ更新し完走したら何見えてくる

082:源

源一という名だったわお祖父ちゃん寡黙で頑固でも大好きな

083:憂鬱

憂鬱に心まかせて歌ってた少女の頃がわたしの起点

084:河

人と人の間に河が流れる言葉紡いで橋を渡そう

085:クリスマス

クリスマス厩でイエス誕生し暗闇の中ひかりを灯す

086:符

行き先の書かれていない切符手に生まれた我ら旅果てしなく

087:気分

おだてられ悔しいけれどいい気分まあそんな日もあっていいよね

088:編

老いたひと髪三つ編みにされており少女の頃に想いを馳せる

089:テスト

見つめ合い言葉交わしてテストされテストしている誰もがみんな

090:長

長いものに巻かれ上手くやり過ごす処世術より自分の道を

091:冬

冬木立冷たい空気顔に受け何も纏わず希望している

092:夕焼け

思い出の宝の箱に故郷の夕焼け「おかえり」と母の声

093:鼻

花合わせせがむと母は鼻をつけ笑った遊ぶゆとりはなくて

094:彼方

沈丁花匂い袋に彼方からの便り弥生の空に薫る

095:卓

ドリカムに浮上するまでぼんやりと外を眺める食卓に花

096:マイナス

泣きどころ握られているマイナスをさ迷っていたとき会った君

097:断

うた詠んでさらされている断面は良くも悪くも自分自身で

098:電気

突っ張っている君だけど寝る時は小さな電気なぜか消さない

099:戻

ゴール前もう戻れないピリオドは打たれるけれどウタはここから

100:好

始めたら好きにならずにいられないから好きなことだけやってます











posted by akari at 21:30| 2009年 | 更新情報をチェックする